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悩んでいる人
電力会社の送電部門に興味があるけど、何をやっている部門なんだろう?自分の得意分野が活かせるのかな?配電部門とか他の部門との違いって何?

 

とピンポイントにお困りの就活生の疑問にお答えします。

 

電力会社の企業説明会に行っても、実際に聞かされる内容は会社概要(資本金や社員数、経営理念など)、会社がPRしたい新規事業や一押し事業ばかりで、実際に配属される事業所でそんな事やっているかと言われたら、やって無いです。

 

企業説明会は優秀な新卒を採用するために会社の良い部分しか見せていません。(インターンシップでも各部門の花型のような業務を見せますが、現場とはギャップが有りすぎます。)

 

僕は電力会社の送配電系の部門に所属(現在は分社化してます)しており、その中でも送電部門で働いています。

 

配電部門は電柱や電力メーターを検査しにきている人、変電部門は変電所で働いている人などのざっくりしたイメージを持てると思いますが、送電部門はと言うとピンとくる人はあまりいないと思います。

 

今回は、そんな何をやっているのか分からない送電部門の現場第一線の仕事内容について紹介します。

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電力会社の送電部門の仕事【技術系部門のイメージ】

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これはほぼ全ての技術系の部門に言える事だと思いますが、電力会社の仕事は大きく2つに分けられます。

 

保守工事です。

 

保守とは、今ある電力会社の資産(電柱や電線、変電機器やその他大型の機械や建物)を修繕や改良で維持・管理していくこと。資産を守る仕事です。

 

工事とは、電柱や鉄塔や変電所を建てて電気を新しい場所へ送って、新たな利益を生み出そうとする仕事。利益を生み出すための資産を新しく作る仕事です。

 

この2つの大別が技術系部門の仕事の大枠になります。

 

ざっくりとしたイメージはこんな感じです。

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送電部門

 

それでは送電部門では何をやっているのか説明します。

 

そもそも送電とは、超簡単に説明すると

 

【発電所⇄変電所】【変電所⇄変電所】を繋ぐ電線のことで、扱う電圧は3万V以上の電圧です。中には100万Vの送電線も存在します。

 

山とかにそびえ立っている東京タワーっぽいのが送電線を支えている鉄塔になります。

 

送電線=鉄塔って覚えてもらった方がイメージしやすいかと思います。

 

この触れたら一撃で死ぬくらい危険な送電線の保守や工事をしているのが送電部門となります。

 

電力会社はホワイト企業ですが、仕事は結構危険です。怖すぎてやめたい理由をこちらに書いてます。

 

保守

保守はパトロール(巡視)や点検で異常個所を見つけて、それを改修(修理)するのが主な仕事内容です。

仕事内容
  • パトロール(巡視)
  • 点検
  • 保安伐採
  • 請負・委託の発注
  • 送電線に関わる管理資料の維持管理

 

パトロールや点検は決まった回数が定められていて、年1回〜3回(電力会社によって異なる)全送電線を歩いて異常が無いか巡視します。

 

送電線は山岳地帯に建てられている事が多く、パトロールは山にも登るし、そこから鉄塔にも昇って点検もします。

 

保守は体力仕事です…

 

また、街中をパトロールして重機などが電線に近づいて無いか確認します。

 

万が一重機が電線に近づいてしまったら、電気が重機に流れてしまう(地絡と言います)のでその送電線が電気を送ろうとしていた街・工場は停電してしまいます。

 

TOKAGE
1時間電気が止まっただけで被害額は数千万〜数億円になる事もあるよ…

点検&パトロールが終わると報告が上がってくるので、電力社員はこの中から異常度合いにランク付けをして、早期に改修が必要な物、数年以内に改修が必要な物に振り分けます。

 

これらを計画的に改修したり、重機が誤って電線に触れないようにパトロールするのが保守の仕事です。

 

工事

工事の仕事は新たな送電線路を建設するのが仕事です。

 

仕事量は

 

工事>>>保守となるくらい工事の方が忙しいです。

 

電力会社の収益になるような送電線を建設するので、工事の規模も大きく、1人で自分の生涯年収以上の金額を年間に動かします。

 

注目を浴びたい、出世したいと考えているなら送電線を建設しまくって実績を作るのが良いでしょう。

仕事内容
  • ルート調査
  • 設計
  • 官庁申請
  • 施工管理
  • 検査

送電線の建設は5年くらいの計画でこの4項目を順番に進めていきます。

 

なので、最初から最後まで自分で送電線を建設することは稀で、大体の人は途中で転勤してしまいます。

 

「ルート調査」は手入れもされていない山に突っ込んで、机上で引いた送電線ルートと比較して本当に通せるかどうか確認します。

 

ルートが決まれば「官庁申請」と並行して「設計」の仕事に移ります。

 

「官庁申請」が鬼門なところで、林野庁・航空庁・国土交通省など多くの関係個所に必要な申請書を提出します。

 

送電線を建設にするのに航空法だったり森林法だったり道路法だったりが結構該当してきます。(平均10~15の法令に該当します)

 

わりとこの申請書の作成に膨大な時間を投入しております。

 

他電力ではどう効率よく申請書を作っているのか知りたいところです。

 

「官庁申請」と並行して行うのが「設計」で、地形や気象状況に合わせた、風にも雪にも耐える事ができる「送電線(業界用語:架線)」「鉄塔」「基礎」を設計します。

 

この設計が送電部門の一番面白いところで、やりがいのある所かなと私は思っています。

 

「設計」と「官庁申請」という社内外の針の穴を通すような厳しい審査が終了したら、いよいよ「施工管理」に入ります。

 

送電線を実際に建てる仕事です。

 

送電線が建設されたら、社内の厳しい検査を潜って、何kmもある1つの送電線が完成します。

 

 社員が鉄塔や電線を一から張るわけではなく、施工関係は全て請負負託になります。

送電部門で必要とされる知識・専門分野

送電部門で必要な知識については下記の通り

 

  • 材料力学
  • 構造力学
  • 物理学
  • 電気磁気学

 

僕は高専の電気工学科出身ですが、正直電気的な知識は殆ど使っていません。

たまに電磁界測定で電磁気学を使うくらいです。

 

なので、送電部門で使う知識は鉄塔設計に必要な力学関係と基礎的な物理学であり、土木建築関係が専門分野となります。

 

送電部門の社員は、高卒から院卒まで電気関係を専攻してきた人が殆どですが、残念ながら電気的な知識は殆ど使わないので、自分が学んできた分野を活かしたいのであれば、変電部門の方が向いているかと思います。

 

逆に、土木建築関係を専攻していなくても、十分に活躍できる場でもあり、山登りが好きな人は仕事の3分の1は山に登るのでアウトドア好きには向いてるかと思います。

 

送電部門の専門は土木建築そしてアウトドア分野になります。

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