鉄塔の建設費用について解説

鳶職

 

電力さん、あの山の上の鉄塔いくらすんの?

全部合わせたら結構高いんでしょ?

 

 

 

 

 

割とお兄さんからこういった質問が来るのでお答えします。

 

鉄塔のお値段、知っているようで知らないですよね?

電力社員である僕からすればざっと鉄塔周辺を見ただけでお金を掛けた鉄塔かどうかの判断がつきます。

今回は鉄塔に掛かる建設費用についての解説と実際の建設にはどんな業界の人が入ってくるのかを解説していきます。

ビジネスに繋がるヒントがあるかもしれません。

 

僕の自己紹介を簡単にすると、旧電力会社の送電部門(現在は分社化してグループ会社)で送電に関わる仕事をしています。

年間数億円規模の工事を担当しているラインマンです。

僕の基本情報はプロフィールをご覧ください。

記事の内容
  • 送電線・鉄塔の建設費用
  • 建設に関わる業界
  • 業界の課題【ビジネスに繋がるヒントになるかも…?】

この記事を読めば、鉄塔の建設費用とどういった業界が絡んでくるのか分かると思います。

 

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送電線・鉄塔の建設費用

予算と費用

 

まず、送電線・鉄塔といっても電圧によって鉄塔の大きさがだいぶ変わってきますので、今回は一般的な2次系(変電所~変電所間を繋ぐことが多い送電線路)の鉄塔を前提にします。

 

イメージ的には下の画像のような小さい鉄塔です。

鉄塔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、解説していきます。

 

鉄塔1基あたりの値段

 

鉄塔1基あたりの費用は平均すると2,700万円~3,000万円が相場です。

僕も自分の案件の建設費用を積算する時はこの数字を1つの目安にして計算しています。

 

さらに内訳を細かく説明すると

建設費用内訳(2,700万円)
  • 資材代:400万円
  • 工事・建設用地費:300万円
  • 建設費用(仮設):800万円
  • 建設費用(基礎):400万円
  • 建設費用(鉄塔組立):400万円
  • 建設費用(架線):400万円

こんな感じになるかと思います。

 

資材代で一番高くなるのは勿論鉄塔本体です。

建設費用で一番高くなるのは、仮設工事です。

仮設工事とは、簡単言えば現地に鉄塔を組み立てるための準備用の費用です。

伐採や道路の拡幅・整地・安全対策・作業員の休息小屋・トイレなどがこの仮設費用に入ります。

 

実際は現地の地形や後方によって大きく変わりますが、ざっくりした計算はこうなります。

一番コストが掛かる部分は?

 

上でちょっと説明しちゃいましたけど、一番コストがかかるのは建設費用で、その中でも仮設費用が一番お金が掛かります。

 

資材を運ぶための道路や鉄塔を建設する場所の整地なんかは重機も頻繁に搬入しますし、安全対策も入念に行わなければなりません。

 

ちなみに、一番トラブルが起きやすくて費用が上乗せされるのは基礎工事です。

想定していた地層と現地の地層がマッチしなかったり、水脈引いたり、意図しない配管なんかが出てきたりします。

 

穴掘りガチャですね。

 

硬岩(SSSレア)が出てきたら岩を砕くだけで日数を費やします。

 

なので、基礎工事費用は想定の見積もりを上回る事が多く、最終的には一番予算を食っている場合もあります。

 

工事の前段で…

 

建設工事の前にその現地に送電線を通せるか?鉄塔を建設できるのか?を調べる調査や測量も行っています。

道のない山の中にトランシットを持っていって測量する体力仕事です。

測量員のおかげて鉄塔建設の良し悪しが判断できるので大変助かっております。

 

山歩きの辛さはこちらの記事に記載してあります。

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建設に関わる業界

関わる業界

 

送電線の建設に関わる業界・職種は下記の通りです。

  • 測量会社
  • 土建会社
  • 基礎工事会社
  • 架線・鉄塔組立工事会社
  • 建設会社(元請)

こんな感じです。

 

鉄塔の建設はそれぞれが特殊すぎるので専門業者が入ってくるって感じですね。

なので、ある意味仕事は独占できている状態です。

 

業界の課題

課題

 

鉄塔建設業界の課題は下記の通り

課題
  • 業界全体の作業員高齢化
  • 架線作業員(通称電工)の人員不足
  • 現場効率化が上がらない
  • 安全面

この辺です。

特に架線作業員の人員不足が深刻で、2020年から10年間は東日本で幹線系(500kV以上の電圧送電線)の工事が盛んに行われるため、人員がそっちに持っていかれると言われています。

 

本当に転職に困っているのであれば、最終手段は架線作業員になることをオススメします。

今は給料が非常に高いと聞きます。

関係会社から同年代の月収聞きましたが僕より高いです…

 

現場の効率化は測量や架線作業でドローン使用したりしていろいろ試行錯誤していますが、今ひとつ抜本的な改革にはなってません。

どうしても人の目で見ないとできない作業なので、ここら辺で効率化に繋がる何かを開発すれば一儲けできるかもしれません。

変化のない業界にこそビジネスのチャンスは眠っています。

 

 

【最後に告知】

YouTubeで電工(ラインマン)のアニメがUPされていました。

 

~恋の安定供給~

溢れ出る「◯の名は」感

散りばめられたパワーワード

作り込まれた送電線

 

2話掲載で1分30秒程度の動画なので、時間あれば視聴してみてください!

 

 

 

まとめ

 

送電線の建設費用は1基あたり2700~3000万が相場です。

その中でも仮設費用が一番高くなります。

 

また、送電線建設業界は課題が多く、特に将来的な人員不足が問題視されています。

生活に困ったら、ラインマンになることをオススメします。

 

今回は以上です。

では、また次回!

 

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