山登りの実情

 

電力会社って山に登るらしいじゃん?

でも、俺は体力に自信あるから楽勝だね。

登山も好きだし、楽しそうじゃん。

 

 

 

 

 

 

こういった事よく言われるので解説します。

 

旧電力会社の設備は山の中にあるものが多く、配電、変電、送電、発電部門は基本的に退職するまで山とお付き合いすることになります。

今回は電力会社の巡視・パトロール・点検における山登り事情について解説していきます。

 

僕の自己紹介を簡単にすると、旧電力会社の送電部門(現在は分社化してグループ会社)で送電に関わる仕事をしています。

年間数億円規模の工事を担当しているラインマンです。

 

ちなみに、僕も体力には自信があります。

学生時代は屋内球技をやってましたが

 

  • 部活は全国大会常連校
  • 体力測定80点満点中78点校内1位
  • 部活の延長で社会人リーグでもプレー
  • 筋トレ週3回
  • 体脂肪率13%以下をキープ

 

こんな感じですが、キツいものはキツいです。

 

僕の基本情報はプロフィールをご覧ください。

記事の内容
  • 電力会社の保守・点検における山登りの実情【キツい】
  • 苦しい登山を楽しむための方法
  • まとめ

この記事を読めば、電力会社の保守点検における登山の実情を知ることができます。

 

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電力会社の保守・点検における山登りの実情

山登りの実情

結論、めちゃくちゃキツいです。

上でも少し説明しましたが、電力会社の設備(送電線・配電線・発電所)の殆どは山にあります。

巡視や点検はその電力会社の保安規定基準に準じますが、基本1~3回は実際に設備を見に行く必要があります。

なので、登山は必須。

社員が全て目で確認するため山へ入山します。

登山ルートはないので基本、道はないです。

なので、キツいです。

 

では、具体的に何がキツいのかというと

キツいところ
  1. 歩く場所に道がない
  2. 体力的にキツい
  3. 野外生物の危険性
  4. 装備が重い

 

こんな感じです。

それでは順番に解説していきます。

 

歩く場所に道がない

 

皆さんの登山ルートというと

登山

参照:https://tozan.co/archives/9614

 

こういったルートを想像するかもしれませんが

現実はそんなに甘くありません。

 

登山

参照:http://mztn5963.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

 

藪漕ぎ

参照:https://chubu.env.go.jp/blog/2015/09/post-110.html

 

 

実情はこんな感じで、もはや"道"と言わない場所を通ります。

通称"藪漕ぎ"です。

 

生えきった野草で下は見えないですし「崖」「地滑り」「穴」なんでもあるので常に足元を確認して歩かないと本気で怪我をしてしまいます。

一応送電線の点検用に"巡視路"と言われる道はありますが、時期的に草刈りが行われていなかったり、道のメンテナンスができてないでいると、一瞬で消失します。

 

道幅も、ひどい場所で2m無いような場所もあり、落ちたら即死コースだってありました。

 

冬場は雪が積り、足元が見えないです。

完全に◯しにかかっています。

 

歩く場所は危ない上にキツいです。

体力的にキツい

 

体力に自信のある僕でもキツいです。

 

  • 全身長袖長ズボンの作業着
  • 重装備

 

これだけで体力を奪われます。

 

が、本当に恐ろしいのは歩く距離です。

 

基本的にツーマンセルの2班で車を回しつつ歩くのですが、1区間あたり平均で5kmは歩きます。

 

1区間(5km) = 送電線径間長350m ✕ 12径間 + 迂回ルート(800m)

 

内訳的にはこんな感じで、10,000歩以上は平気で歩きます。

迂回ルートというのは、実情電線の真下を歩いていける訳ではないのと、50m~100mの高低差が常に存在するための、その分の補正です。

 

歩いた距離をカロリーにすると約1,260キロカロリーです。 (3時間半くらいのハイキング)

 

配車

 

野外生物の危険性

 

地理的にも危険なのにさらには野外生物の驚異にもさらされます。

 

  • クマ(エンカウント:2)
  • ハチ(エンカウント:3)
  • ヘビ(エンカウント:5)
  • ヒル(エンカウント:0)
  • マダニ(エンカウント:1)

 

こんな感じです。()内は僕がエンカウントした回数。

クマやヘビは鉢合わせさえしなければあちらが気づいて逃げてくれるので、対策していれば僕的にはそんなに怖くないです。

 

問題はそれ以外。

 

特にハチ。

オオスズメバチ(アシナガバチ・ツチバチも危険)は土にも朽ち木にも巣を作るので、正直どこにいるのか全く予想する事ができず、跨いで通ろとした朽ち木から大量にオオスズメバチが出てきた時は本当に死ぬかと思いました。

あいつら、威嚇とするのかと思いきやいきなり巣から出てきたりします。

実際他電力でハチに刺されて亡くなる労働災害が数年に1回は起きています。

 

なので、夏場はハチ対策のためだけに「蜂ネット」というのを被って歩きます。

正直めちゃくちゃ暑いです。

蜂ネット

 

 

 

 

 

 

また、最近だとマダニも怖いです。

首筋がかゆいなと思って首を触ると虫とも髪の毛とも言えぬグニグニとした感触が…

取ってみたらマダニでした。

幸い血を吸われる前にやっつけたので良かったのですが、マダニは"死のギャンブル"です。

致死率は6.3%~30%

吸血されたら即効で病院にいった方が良いです。

高齢になるほど重症化のリスクが高まるマダニ媒介性のウイルス感染症「SFTS」!夏場の農作業時は要注意

あとは「藪漕ぎ」であるため、荊棘や笹なんかも多くて身体中が草に反応して痒くなります。

僕は肌が弱いので、帰ってシャワーを浴びる時には太ももが赤く爛れている時があります。

 

野外生物はあらゆる面で危険です。

 

装備がキツい

 

ここまできて

「うわ、ひどいな、山登りたくないな」

と思ったかもしれませんが、1つあることをお忘れです。

 

山に登るのは"点検"をするためなので、装備や工具が必要です。

これらは全て人力で持っていきます。

現地について始めて作業です。

ここから鉄塔に昇って活線点検などをするのです。

そして下山。

なので、単純な登山だけ体力を使い果たしては本来の仕事ができません。

結構体力仕事です。

 

全身作業着で水や野外生物対策グッズ、それに点検用の装備も合わせるとリュックの重さは10kg近くになります。

もはや筋トレです。

 

装備が重くなるとそれだけ体力がもっていかれてキツいです。

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苦しい登山を楽しむための方法

きのこ

 

上に書いたとおり山登りは通常のハイキングと違ってめちゃくちゃ危ないうえにキツいです。

 

森林浴なんて言ったものじゃないです。

そんな中から無理やり楽しみを見つけようとすると下記の通りです。

 

野草狩り

 

春の時期は鉄塔敷の中にワラビやゼンマイが生えていて山菜採りなんかができます。

秋口にはきのこも採れます。

 

僕は山菜に全く興味はありませんが、先輩社員の皆さんは割と楽しみにしていますね。

 

野草狩りは楽しみの1つになるかもしれません。

 

獣ウォッチング

 

上記の野外生物にはエンカウントしたくありませんが

この他の小動物やカモシカなんかもエンカウントするため、獣ウォッチングは割と楽しいです。

 

爆音独奏ライブ

 

これはクマ対策に僕が実践していることですが、スマホで音楽を流して歌いながら歩いています。

 

周囲は山。

 

もう1人の社員の他には誰もいないので歌いながらストレスを発散しつつクマ対策もしっかりやって一石二鳥です。

これ結構オススメなのでやってみてください。

筋トレ

 

最後は筋トレ。

もう言うまでもありませんね。

 

装備は二人分!

少し安全な山道はダッシュ。

 

これをやることでめちゃくちゃ体力がつきます。

やってることは亀仙流と一緒なので。

 

亀仙流

 

 

 

 

 

 

 

ハードなトレーニングが好きで、筋トレが好きな人におすすめです。

まとめ

 

以上が電力会社の保守・点検の山登りの実情でした。

正直、めちゃくちゃキツいです。

僕的には体力よりも、死の危険性があることの方が恐ろしいです。

 

入山される時は本当に気をつけて下さい。

 

今回は以上です。

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