
電力会社って分社化したけど、今後の採用や仕事に影響はあるのだろうか?
これからもホワイト企業のままでいられるのだろうか?今後の採用と働き方・電力会社の将来について知りたい。
こういった疑問に現役電力社員であるTOKAGEがお答えします。
・年齢:20代
・在所:地方(田舎)
・最終学歴:高専卒
・仕事:技術部門(送配電系)
・残業:30~40時間/月
・年収:400万~430万
- 分社化は採用と仕事に影響があるのか?
- 将来的に電力会社はどうなっていくのか?
- 僕たち電力社員はこれからどうしていけばよいのか?
この記事を読み終わる頃には「分社化」した電力会社の今の状況と将来的な電力会社の姿をざっくり掴めると思います。
僕はたまにある経営層の対話はがっつり聞いていたので、なんとなく上層部が考えている事がわかりました。この記事はその内容も一部混ぜているので信憑性はあると思います。
※見解については個人の意見ですので、そこは予めご了承下さい。
もくじ
分社化後の電力会社の採用と仕事への影響
まず、分社化後の変化についてはあまり感じられませんでした。
っと言うのも数年前から組織整備について前もって準備していたため、いざ4月になって分社化しても特に大きなトラブルになるような事は起きませんでした。
あ、会社のロゴが変わったな
くらいの変化です。
これを踏まえてそれぞれ解説していきます。
採用はどうなるのか?
結論、採用は今まで通り変わらないと思います。
- 市場と会社の状況を鑑みて採用人数を決める
- 分社化したものの、採用試験は一括
- 希望部門を選択してからどっちに配属なるかが決まる(発電・販売する電力会社or送配電系の電力会社)
- 入社式も合同
こんな感じで就活に影響が出ないようにいろいろ配慮されています。
ただ、注意点が一つだけあり、内定後に希望の部署を聞かれた際は、割と慎重に選ぶようにして下さい。(技術系は一つの部門で定年まで働く)
あとキャリアチェンジは今より難しくなると思っていて下さいね。
極端な話をすると、配属は送電でキャリアを変えたくて火力に変更しようとしても、それは別会社に行くことになるので出向という扱いになります。
今までは上司と相談して部門を変える事が可能でしたが(これも相応の理由が必要ですが)これからは発電・販売系と送配電系の会社間の異動は難しくなると考えていて下さい。
仕事への影響
分社化して3ヶ月、今の状況から説明します。
結論から言うとこちらも仕事上大きな変化というのはありませんでした。
電力会社の事前準備力は圧巻ですね。
ただ、細かいところで少し面倒くさいなと感じる部分はこんな感じです。
- 送配電系の場合、〇〇電力のTOKAGEですと名乗れなくなった
- 請負・委託で契約上の問題が出てきて、手続きが手間
- 地域にまだ浸透していないため、説明が必要
- 発電・販売系と送配電系で仕事の依頼の書類上のやりとりが増えた
これらは時間が解決してくれるので、特に仕事に大きな影響が出るような事ではありません。
来年の4月から入社する新卒への影響はおろか、至近年入社した若手社員も柔軟性があるため、問題無いかと思います。
なので、仕事は今まで通りと考えていて大丈夫です。
給料や待遇はどうなるか?
皆さん気になるところですよね、給料と待遇。
これもしばらくの間は今まで通りだと思います。
分社化したからといって急に収支が悪くなる訳ではありませんからね。
電力会社の地域独占状態は今もまだまだ敵なしの状態ですので。
ただ、将来的には給料・福利厚生・退職金などには影響が出てくるんじゃないかと僕は考えています。
理由を後述します。
ちなみに、現段階での給与待遇についてはこちらの記事を見て下さい。
電力会社がホワイト企業である理由はこちらの記事を見て下さい。
電力会社はどうなっていくのか【たぶん統合する会社が出てくる】
自分の部門の会社だけの話ですが
統合すると言っても、分社化したグループ会社がまた統合するのではなく
別地域の電力会社同士(例:中部電力東京電力)の送配電系の会社が統合するといった形です。
可能性は低いですが大手通信会社(Docomo/Softbank/au)とも考えられますね。
詳細は省きますが、送配電系の会社は電気料金の中に含まれる託送料金という料金で経営を担っています。
僕はこの料金だけで膨大な設備(全国の送電線の合計は余裕で地球を周回できます)を維持しつつ、新たな設備やサービスを作って利益を得る事があまりイメージできません。設備維持には毎年膨大なコストが掛かっています。
また、各電力会社はこのまま電気だけ売っていても収支が悪くなるのを見据えていて、電気だけを販売するのではなく、福祉や医療などの公共事業に関わる新サービスを提供する事に注力しています。
どの電力会社いろいろ思考錯誤をしている段階です。
なので「設備の維持のコスト削減」と「新サービス」、この2つがうまくいかなくなった場合は赤字転落もありえます。
ただ、そうなるのは僕たち今の20代の社員が中堅・ベテランの領域に達した頃だと想定しているので、僕たちが45歳~55歳になる頃かなと。
おそらくその頃にはどこかの電力会社とどこか電力会社が統合しているかと思います。
なぜそう言い切れるのか
僕は経営層がぼそっと言った「40年くらいまでは何とか大丈夫」の言葉を今でも覚えているので。
これから僕たち電力社員は何をしていけばよいのか?
さて、これからは僕たち若手電力社員は何をしていけばよいのか?
それは、収入の柱を増やすこと、つまりは副業をすることです。
今すぐに副業しろという訳ではなくて、まずは副業スキルを身につける事にフォーカスして下さい。
ホワイト企業の電力会社なんだから別に必要ないでしょ?
え、だって電力会社は副業ダメじゃん
と思いましたのよね??
そう思った人はトヨタ自動車の豊田章男社長のこの言葉を胸に刻んで下さい。
雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた
どういう事かというと「企業としては終身雇用を保証する義理は無いし、雇用する側にメリットがあまり感じられない」ということです。
これは電力会社にも当てはまります。
絶対、早期依願退職者の呼びかけなどで社員を削る動きが出てきます。(現状はまだ大丈夫です)
急に自分から電力会社を取られたら何か残りますか?
僕は何も残らないなと思いました。
次の職場を見つけるにもスキルもなければ宛もない。最悪な状況です。
そうなる前にホワイトな恩恵を受けつつ、今のうちに収入の柱となるスキルを磨いておくべきです。
おすすめは、電力会社で習得可能なスキルを普段から磨きつつ、これから伸びる分野のスキルを習得する。
という方法です。
下のスキルを参考にして下さい。
- Word・EXCEL・PowerPoint
- CAD
- マネジメント
- プレゼン
- 高圧線作業
- 高所作業
- 活線などの現場作業
- プログラミング
- 動画編集
- デザイン
- 写真撮影
- ライター
僕は電力会社ではCADを、普段はプログラミングと動画編集の勉強をしています。
特にCADや動画編集は即金性が高いため、スキルを習得してから収入を得るまで早いのが特徴です。
【ココナラ】というサイトにCADや動画編集スキルを売っている人たちが多くいます。
スキルを身に着けて収入の柱を増やすことは、自分の将来の保険にもなります。
分社化した電力会社の将来なんて誰も分かりませんが、明るい未来だけが未来では無いので、来たるべき日に備えて各々で準備しておきましょう。