停電復旧が遅くなる原因について

怒っている人

おい電力会社!

いまこっちは停電してるぞ!

早く電気つけろ!!!

いつまで何もたもたやってんだ!!!

電気がつかないと仕事も捗らないんだよ!!!

 

 

 

災害時や大停電時はこういった怒りの電話が多く寄せらるので、今回は停電が発生した場合に電力会社が何をやっているのか、遅くなる原因を解説していきます。

 

停電が発生した時は苦情の電話を掛ける前に、このブログの記事を思い出して、それでも遅いようなら掛けるようにして下さい。

 

TOKAGEからのお願いです。

 

僕の自己紹介を簡単にすると、旧電力会社の送電部門(現在は分社化してグループ会社)で送電に関わる仕事をしています。

年間数億円規模の工事を担当しているラインマンです。

僕の基本情報はプロフィールをご覧ください。

記事の内容
  • 電力会社の停電復旧が遅くなる原因
  • まとめ

 

この記事を読めば、停電復旧作業がどんな感じなのか、どこで時間が掛かってしまうのかざっくり把握することができます。

 

 

停電になった時になんとなくで良いので「こういうことやってるんだなー」とイメージが掴めておけば不安も少しは和らぐかと思います。

 

 

 あくまでも"遅くなる原因"であって、現地作業員や電力社員は1分1秒でも早く復旧するために総力をあげて作業している事に間違いは無いです。
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電力会社の停電復旧が遅くなる原因

遅れる原因

 

まず、送電線の事故によって大停電になるのはどんな時なのか、2019年の台風15号で倒壊した鉄塔の動画よりイメージできるかと思います。

 

 

鉄塔が完全に倒壊するのは現在において割と稀なことですが、こうなってしまうと大停電になります。

電気が完全に送れなくなるので。

こうなると電力社員とグループ会社総出で三日三晩停電復旧に尽力を注ぎます。

 

全員が本当に休む暇なく働いて、めちゃくちゃ頑張っています。(東日本大震災で応援にいった社員は1日15時間、台風15号の時は10時間以上働き詰めだったそうです。)

 

 

なんとなく送電線事故のイメージが出来たでしょうか?

 

それでは何故停電復旧が遅くなるのか解説していきます。

 

停電復旧を遅くする主な原因は3つ

 

停電復旧を遅くする主な原因は3つ

 

  1. 行政手続き
  2. 資材調達
  3. 資材運搬

 

この3つに時間が掛かると復旧が遅くなります。

 

停電復旧のざっくりした流れは下記の通りです。

停電復旧の流れ
  1. 事故点特定
  2. 現地状況の調査
  3. 行政手続き&資材調達
  4. 資材運搬(運搬路確保)
  5. 復旧作業(施工)

 

復旧作業フロー

 

「事故点特定」や「現地状況の調査」は送電線路は制御システム(詳細は省略)で監視されているので一発で分かりますし、瞬時に社員とグループ会社が特定に向かうので時間はそこまで掛かりません。(夜中だろうと豪雪だろうと1基1基見に行きます)

 

作業方法や施工方法はそれなりに確立されている(現地状況にもよりますが)ので、あまりにも現地状況が悪くなければ施工日数はそんなに掛かりません。

 

TOKAGE
もちろん作業員の安全が最優先だよ。二次災害を起こしてはならないからね。
では問題の3つについて解説していきます。

行政手続き

 

倒壊した鉄塔を新たに建て直す場合は様々な申請が必要です。

それも管轄によって国、県、市町村、団体、個人(地権者)それぞれ申請先が違うので全ての行政に提出して初めてクリアです。

主な申請&手続き
  • 道路使用許可
  • 伐採申請(伐採の90日~30日前までの申請)
  • 借地申請
  • 地権者同意書(伐採許可・借地など)

 

本当はもっと沢山ありますがメインどころはこの辺です。

 

道路申請はそのまま行政に提出すれば良いのですが、問題は後半3つです。

 

  • 資材運搬
  • 鉄塔組立

 

この2つを現地で行うには重機の搬入路、作業員の通路、工事用地の確保が必要で全ての項目に伐採と借地が絡んできます。

 

木があると重機を搬入できませんし、人の土地を借りて運搬しますからね。

 

また、全ての土地に地権者がいる訳なので伐採するにも木の所有者である地権者の同意も必要です。

地権者の同意を貰うため、誰の土地なのかの特定と、伐採の同意にかなりの時間が掛かるのです。

 

TOKAGE
"木"も"土地"も地権者の大切な資産なので、無断で伐採や拡幅や整地、道路の造成なんかは言語道断だよ。

 

ココでどのくらい迅速に特定して同意して貰えるかがキーポイントですね。

 

遠方の地権者だったり、電話して直接伺っても不在だったりと、結構一筋縄ではいきません。

全ての地権者から同意を得ると初めて「伐採の申請」を行政に提出するわけです。

 

さらに法律上は伐採の90日~30日前に行政に申請しなけばならないので、実質作業ができるのは最短で30日後が原則です。

※緊急時の場合のみ特例で許可が下る場合もある。

 

TOKAGE
地権者の特定と行政手続きは状況によってかなりの時間が掛かってしまうんだ。現場組と行政申請組に分かれて並行して対応するよ。

 

資材調達

 

鉄塔メーカーのほとんどが受注生産なので災害がおきてから注文すると普通に3ヶ月以上掛かります。

なので、災害時用に仮復旧用資材とストック資材を常に電力会社で保有していますが

問題なのは

 

仮復旧資材やストック資材が現地条件にあうか?

 

です。

 

現地条件に合わない鉄塔を使ってしまうと荷重に耐えられなくなって再び倒壊する可能性があります。

そうならないために、荷重計算をしてストックしている資材で現地状況でも耐えられるかどうかを検討してから持っていきます。

 

もしストック資材が現地条件に合わない場合はあらゆる手段を使って資材を確保します。

メーカーへの問い合わせ、各事業所の別件名で使用予定資材を充てる、他電力へ要請etc

 

資材調達も時間が掛かるポイントです。

 

資材運搬

 

伐採や借地の許可がおりて、資材が調達できた!

 

となれば次は資材運搬路の造成です。

 

先程の行政手続きで説明したように、重機の搬入路、作業員の通路、工事用地の確保には伐採が不可欠です。

 

伐採して周りの倒木を除去することでやっと搬入路が完成するのです。

 

ところで、皆さんは現場の伐採とはどんな状況かイメージできますか??

 

倒木

参照:https://blog.goo.ne.jp/98465mm/e/acc28929e9649165cb80ee127fffcb04

 

倒木

参照:http://amgm.web2.jp/2018/181208OsakaPonponyama.htm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアルにこんな感じです…

こんな感じの現場の木を一本一本伐採して道幅を広げて、整地して初めて鉄塔組み立てや電線を張るための重機を搬入できるのです。

 

TOKAGE
伐採作業員が復旧の切り込み隊長です。凄すぎます。
1時間でも早く復旧するために伐採作業をすすめていますが、これだけ膨大な物量を切って除去するのを人力でやるとどうしても時間が掛かってしまうのです。
伐採作業が終了して整地が完了すれば、やっと人と資材の行き来が可能となり復旧作業が可能となります。
ここまでの仕事を全て迅速にこなさないと、電気を送り届ける事が出来ないって訳です。
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まとめ

まとめ

停電復旧が遅れる原因は

 

  1. 行政手続き
  2. 資材調達
  3. 資材運搬

 

の3つで、その殆どに伐採作業が絡んできます。

 

伐採作業をするためには木の所有者である地権者の特定と同意書が必要で、ココで時間が掛かってしまう場合があります。

また伐採作業は物量が膨大で全て人力作業でやるため、時間が掛かってしまいます。

ですが、現場は総力を上げて必死で作業している事を忘れないで下さい。

 

「安定供給」の使命のもと、皆作業しています。

 

以上が電力会社の停電復旧が遅くなる原因についての解説でした。

 

 

今回は以上です。

 

 

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