
電力会社の働き方ってどんな感じなの?
コロナの影響もあるし、オンラインミーティングやテレワークはやってるの?
これからの働き方ってどうなっていくんだろう?
こんな疑問にお答えします。
電力会社の働き方は、働き方改革が宣言されて以降少しずつ変わってきてはいますが、それでもまだまだ今までの働き方に固執してなかなか新たな1歩を踏み出せないでいます。
今般のコロナ渦によってテレワーク・オンライン会議の導入が大幅に他業界より遅れていた事が露呈したため、会社は急ピッチで環境整備を進めているところです。
今回はこういった電力会社の現在の働き方、5年後の働き方の変化について解説していこうかなと思います。
僕の自己紹介を簡単にすると、電力会社の送電部門(現在は分社化してグループ会社)で送電に関わる仕事をしています。
年間数億円規模の工事を担当しているラインマンです。
僕の基本情報はプロフィールをご覧ください。
- 今と5年後の電力会社の働き方【事務系】
- 今と5年後の電力会社の働き方【技術系】
- これから準備しておくべき大切なこと3つ【副業スキル・変化に対応するマインド・】
働き方を細分化すると、専門的な部分にまで発展していくので、【事務系】と【技術系】の2つに分けて解説していきます。
この記事を読み終わるころには、電力会社の現在の働き方と5年後の働き方について見通しがつくかと思います。
もくじ
今と5年後の電力会社の働き方【事務系】
事務系の仕事とは、企画・総務・契約・資材等の現場に出ないでオフィスで仕事をしている社員のことをいいます。
事務系の方が、働き方改革で推進されているテレワークなんかは導入しやすく、コロナ前から導入されていました。
実情は全体の2割くらいなので、仕事は停滞していましたが。
それでは詳しく深堀りしていきます。
今(2020年時点)の事務系の働き方
事務系の仕事は設備がある現場には行くこと無く、各事業所(オフィス)で一日中社内システムで事務処理を行っています。
社内システムで作成した資料を上司から判子で承認(一部電子承認もある)を貰い、また社内システムで資料を作成する、っといった動作を永遠と繰り返します。
働き方改革以降、率先的にテレワークやフレックス制などが導入されて働き方が変化してきています。
これらを踏まえて現状の働き方を箇条書きにすると、下記の通りです。
- テレワークが推進されていて、コロナで緊急事態宣言が出ても、まあまあ対応していた(テレワークは社員全体の2割くらい)
- フレックスタイム制導入済み(割と利用している人が多い)
- テレワークは推進しているが、ほぼ全ての仕事で上司の承認が必要であるため、家で仕事が進まない
- 紙文化なため、重い資料を自宅に持って帰らないと家で仕事が進まない
- オンライン会議は専用回線に影響がでるため禁止。ただ、TVに接続してのオンライン会議は可能【部屋と設置数が限られているため気軽にできない】
- チャットツールや新機能がちょくちょく導入されるものの、使いこなせているのは20代~40代
- 休暇や労務管理はより厳しくなり、休暇5日+αの完全取得と月45時間以上の残業はできなくなった
様々な施策は導入されているものの、社員と文化・業務フローによって思うように進んでないのが実情です。
根本的なところに判子&紙保存文化があって、今だに電子承認の決定を貰うために紙を印刷して承認を貰うという2重承認をしています。
現在はこの文化は会社の課題の1つにもなっているため、少しずつ変えていくだろうとは思っています。
また、チャット機能が導入されたにも関わらず、メールしたあとに電話でその内容を説明しないと相手を納得させることができません。
事務系の今も働き方はこんなところです。
5年後の事務系の働き方
今でも施策がいろいろ導入されてきているので、あとは社内の業務フローを少しかえてあげれば、働き方はより良くなると僕は想定しています。
僕が想定している5年後の働き方は下記の通りです。
- 専用の通信回線の環境が整い、テレワークがかなり進む(2割から5~6割まで上がると予想)
- ハンコ文化がかなり廃れてペーパーレス化・電子承認で仕事が進むようになる
- ただ、導入スピードはめちゃくちゃ遅いので、重たい紙資料を持って帰らないと仕事は進まないのは今と変わらず
- 専用回線と専用小型端末(iPadなど)でオンラインミーティングが容易にできるようになる
- 老人社員がだいぶ減るのでチャットなどで仕事が進むようになる
こういった働き方になるかなと予想しています。
今と5年後の電力会社の働き方【技術系】
技術系の仕事は、保守業務の効率化のため、積極的に新テクノロジーを導入していくことでしょう。
技術系の仕事についての関連記事はこちらです。
電力会社が導入する新テクノロジーについてはこちらです。
後述します。
今(2020年時点)の技術系の働き方
技術系は、事務系に比べると現場第一線で安定供給を常に維持し続けるために、勤務時間中は社員が絶対常駐しなければならなく、大きな課題となっています。
そのため、会社が出した施策のほとんどが、事務系のみに適用されて技術系は保留状態になっているのがほとんどです。
それらをふまえて箇条書きにすると下記の通りです。
- 緊急事態宣言後もテレワークは出来ずに毎日出社
- フレックスタイム制導入済み(現場仕事との相性の悪さから利用社員は全体の1割)
- 紙文化・判子文化は事務系と同じ
- オンライン会議も事務系と同じ
- チャットなどに普及率も事務系と比較しても更に悪い。(分からないものは使いたくないという謎のこだわりを持った老人社員が多い)
- ドローンを使用した保守メンテンスにより、保守業務の効率化になった(仕事は楽になった)
- 単純業務はRPAで対応するようになった(仕事が楽になった)
働き方改革の施策が事務系に劣るぶん、新テクノロジーで効率化に繋げようとしているのが、技術系って感じです。
5年後の技術系の働き方
技術系の5年後は上記の課題が克服できれば、テレワークなどの導入が進むのですが、まだまだ先は長いと予想しています。
5年後の働き方については下記の通りです。
- テレワークの普及率50%くらい(必ず課員の半数は出社)
- フレックスタイム普及率50%くらい
- ハンコ文化がかなり廃れてペーパーレス化・電子承認で仕事が進むようになる
- ただ、導入スピードはめちゃくちゃ遅いので、重たい紙資料を持って帰らないと家で仕事が出来ないのは事務系と同じ
- ドローンを使用した保守メンテンスが一般的になる。現場で点検したり巡視する仕事は減る。
- 単純業務の殆どはRPA化
- デバイス(iPhone・iPadなど)の普及で現場と事務所間のやり取りがよりスマートになる。
テレワークとフレックスは普及してきますが、まだまだ課題有り。
そのかわりドローンによる保守業務がかなり普及して仕事は全体的に楽になるでしょう。
これから準備しておくべき大切なこと3つ
フレックスやテレワークの普及は
- 技術系の現場第一線事業所の常駐問題
- ペーパーレス化や判子文化の廃止
が進まない事にはなんともなりませんし、僕が想定している5年後の働き方がもっと遅くなる可能性があります。
電力会社の働き方の文化があまり変化を求めていませんから。
では、今から何も準備しなくていいのか?
むしろ今から準備しておくべきです。
後述します。
その1:変化に対応できる柔軟な思考をもつこと
電力会社でずっと働いていると、「今の仕事変えたくない」思想に染まってしまいます。
自分は絶対そうならないだろうと思っていても、周囲の環境の同調圧力によって染まります。
染まってしまうと変化を好まない、今までの老人社員となんら変わりなくなってしまうので、常に社内の変化や新技術へのキャッチアップは忘れずに意識することが大切です。
柔軟な思考とは、新しい情報を積極的に取り込むことで得られます。
その2:副業に繋がるスキルを身につけること
効率化が進めば残業が減ります。
残業が減ってさらに仕事もAIに代替されると社員は勤務時間でもやることがなくなります。
そうなると、どんどんコスト削減が進み、NECや東芝などと同様に早期退職など、声が掛かる可能性が出てきます。
今まで電力会社1本で働いてきて、資格もスキルもない状態で果たして転職市場は勝ち抜けるでしょうか?
僕は無理だと思います。
なので、今からでも新しいスキルを身に着けて稼ぐべきです。
その3:情報発信力をつけること
入社時にSNSでの発信は悪だと刷り込まれ、外部発信ができない閉鎖的空間に追いやられたかと思いますが、今の時代にSNSをやらないのはむしろ悪手です。
SNSは普段の仕事では言えないような現場の人の生の声や自分が得たい情報の最新情報が得られるツールなので、今からでもSNS発信には力を入れるべきです。
匿名で地域を明かさなければどこの電力会社だ!なんてことはバレないので、会社の事じゃないにしろ、普段自分が思っていること、疑問などはSNSに投げかけて意見を募集したほうが、自分の視野が広がります。
電力会社でのSNS情報発信は勇気あることですが、やってみて損はないです。